終局までの Leela の判定結果を得る

Leela のメニュー『Analyze』『Analysis Window』と『Show Histogram』から,下図に示すような図が得られます。


上図に表示されている勝率ヒストグラムを見ると,白は大きく逆転したにも関わらず,しばらくして,再逆転されています。

黒が劣勢に陥った原因を確認しましょう

左側の「次の一手の棋譜並べ」には棋譜の終局図が表示されています。そこで,手数窓 No. に「97」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。この図を用いて,黒が劣勢に陥った原因を考えてみましょう。
白「97」に続いて,その上に打たれると右辺の黒一群が取られてしまいます。しかし,良く見ると,白「97」と出てきた白にも眼がないばかりか,下辺の白一群も安定していません。


下図は,Leela が示す予想展開図です。黒 ① が肝心です。この手を逃すと,実践譜のように,白「99」でカナメの黒2子を取られてしまいます。こうなると,弱かった右辺の白石と下辺の白石がつながり,白が大優勢になります。


上図のように,Leela が示す戦いになれば,たとえ右辺の黒石が取られることになっても,下辺の白石は取れそうですし,中央左辺の白石も取れそうです。
囲碁の力量が上がらないと嘆いている人は,この局面のように,目先の損得で黒 ① を逃して,黒 ③ につないでしまう傾向が見られます。この戦いの場面を繰り返し研究されると,実力アップにつながると思います。

白が大優勢を確定できなかった局面を見ましょう

左側の「次の一手の棋譜並べ」で,手数窓 No. に「150」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図のようになります。白が,左下隅の黒石を取って,大優勢になった局面です。
良く見ると,下辺の黒も眼がはっきりせず,一方で,上辺の白も眼がはっきりしていません。


ここは下図に示す Leela の予想展開図のように,下辺の黒一群を攻めれば,取れていました。代わりに,上辺の白一群が取られても,大優勢を維持できました。


あるいは実践譜でも,白「193」で,上辺の白一群の眼形を確保していれば,大優勢を維持できていました。
一例として Leela の予想展開図を,下図に示します。

白は無理攻めによって自らの眼形を失う

白は,目数計算を怠り,どのくらい勝っているのか判断しないまま,白「193」から強硬な攻めに出ました。しかし,下図に示すように,攻めた黒石が中央につながることになっては,逆に,上辺の白一群の眼形が無くなりました。これによって,大優勢だった一局を失うことになりました。